基本的なことですが、読みやすい文章を書くには下書きをするのが大切です。
文章力を上げたいなら、まずは下書きの練習から始めましょう。
今回は下書きを書くメリットや、書き方の手順、書き始めるときのパターンなどについて詳しく解説します。
この記事の内容
文章において下書きが重要になる理由
文章作成において下書きをするべき理由は、ズバリ「情報を整理整頓するため」です。
相手に文章で情報を伝えたいときは、まずは読み進めてもらうことが大前提。そのためには、集めた情報を整理して分かりやすく並べていく必要があるのです。
下書きをするべき三つの理由
- 伝えたい内容や主張を整理整頓するため
- 書く内容・書かない内容を決めるため
- 適切な順序で分かりやすく並べるため
「自分の知識」「体験したこと」「調べたこと」…など、書くテーマはなんでもOKですが、集めた情報を一度整理して、筋の通った構成を作り込む作業が必要になります。
デンジ
下書きを書かないとどうなる?
集めた情報を整理せずに書き始めると、「読みにくく意味を理解しずらい文章」が出来上がります。
よくある失敗パターンを簡単にまとめたので参考にしてみてください。
いつのまにか話が脱線する
下書きを書かないと話が脱線しやすくなります。話の着地点が決まらず方向性を見失ったり、色々内容を詰め込みすぎていつの間にか別の話になっていたりします。
見出しと文章の内容がズレる
見出しに書いてある内容と本文の内容がズレてしまうこともよくあります。「〇〇をするべき理由」なのに理由が書いてなかったり、「〇〇のメリット」なのに全く違う内容を書いてしまったり…。
主張と結論がズレる
文章全体を通して伝えたいことがズレてしまうパターン。最初に主張していたメッセージと、最後のまとめで言っている内容が全然違うものになってしまう。「え、色々語って最終的にそれが言いたかったの?」と、悪い印象を与えやすくなる。
同じ話や内容を何度も書いてしまう
情報を整理していないので、同じような内容の話を何度も出してしまう。似たような内容の話が続くと情報が薄くなるし、読者もイライラさせてしまいます。
…このような恐ろしいことが起きやすくなります。
その場で考えながらピースを当てはめていくので、論点がおかしくなったり、文章同士がうまく繋がらなくなったりしてしまうんですよね。
デンジ
下書きを「書く派」と「書かない派」
「下書きなんか書かなくても良い記事は書けるよ」
と考える人も中にはいます。
こういう人は、あらかじめ頭の中でパパッと下書きを書けてしまう「天才肌タイプ」。自分の周りにもこういった感覚派の人が、ごく少数ですがいます。
天才肌タイプは、わざわざ下書きを書かなくても頭の中で話の筋道を鮮明に描けるのが特徴。思考の整理整頓が上手い人とも言えるでしょう。これは生まれつきの才能による部分も大きいので、初心者が最初から真似をするのはおすすめしません。
面倒くさくても下書きをきちんと書いて、筋の通った文章を書けるように練習してから試してみるのが良いでしょう。
デンジ
「あえて感情をむき出しにして書きたい記事」や「自分しか見ない日記」などは下書きなしで書いちゃってもOKです。ただほとんどの場合、きちんと下書きをして、書きたいことを整理してから書いた方が、記事にかかる時間は少なくなります。
下書きを作ることで得られる5つのメリットを紹介
下書きを書くメリットはたくさんあります。
その中でも自分が特に強く実感できたことを5つ紹介します。
頭の中を整理できる
頭の中でモヤモヤしている情報を整理できるので、自分が本当に伝えたいことが明確になります。
下書き前の頭の中は、自分の知識や経験・リサーチした情報・伝えたいメッセージ…などがごちゃまぜになっています。
だから一回「情報の棚卸し」をして、「何を・どんな順番で・どんな風に書くか」を整理するのです。
手持ちの武器やアイテムを全部リストアップ(下書きによる情報整理)して、適切な装備品だけを持っていくボスに挑む(記事を完成させる)イメージです。
デンジ
文章を書くスピードが上がる
下書きをキッチリと書いたほうが、執筆スピードは格段に上がります。
書くべきことがすでに決まっているので、あとは手を動かすだけ!下書きや内容整理の時間を入れたとしても、結果的に記事を完成させるまでのスピードは早くなります。
下書きなしでいきなり書く人は、結果的に細かい修正や書き直しが多く、結局余計な時間をとられているパターンがとても多いです。
自分が運営するブログならまだ良いですが、クライアントがいるWebライターの場合は、内容やミスを指摘されてしまう可能性もあります。
デンジ
シンプルで分かりやすい文章を書ける
最初に書くべきことを整理するので、無駄な情報を削ぎ落とせるようになります。本当に必要な情報のみが書いてある文章は、分かりやすく、読みやすく、読んでいて気持ちが良いもの。読者が快適に文章を読み進めてくれれば、ほかの記事にも興味を持ってくれる可能性も上がります。
デンジ

記事執筆のハードルが下がる
下書きを先に終わらせていると、執筆作業に取り組みやすいというメリットもあります。「下書き+清書」をセットで考えるとキツイですが、それぞれの作業を細かく分けると自然とできるような気持ちになってきます。
たとえやる気がない状態でも…
「書くべき内容はもう整理している。あとはやるだけだ」
と思えるので、集中力が低いとき・モチベーションが低い状態でも記事を書きやすくなるんですよね。
デンジ

論理破綻に気づきやすくなる
最初に情報を整理しているので、話の展開がおかしくなったときにすぐ気付けます。下書きの段階で話の流れや主張を整理しておけば、清書してから大幅に修正することもなくなります。
実際に下書きをしながら話の流れを作ってみると、
- 「ここはもっと分かりやすくできるな」
- 「本当に言いたいことがズレてきてないか?」
といった改善点が分かりやすくなります。
論理破綻はよく起こるものなので、できる限り下書き段階で直しましょう。細かい表現や言い回しはあとからいくらでも直せますが、記事全体を通して言いたいことがズレると、最悪書き直しになるレベルの修正が発生してしまいます。
下書き作成でよくあるパターンを3つ紹介
下書きの書き方にルールはありません。
ただ初心者の中には「下書きの作成方法や手順を教えて欲しい」という人も一定数いるはず。
というわけで今回は、自分がよくやる代表的な下書きのパターンを3つ紹介します。
構成から一つずつ書いていくパターン
最初に記事の見出しを全部作ってしまい、構成が完成したらその見出しごとに下書きを書いていく方法です。記事の見出しを最初にすべて決めてしまうため、情報をいちいち区分けする必要がなく楽チンです。
上位表示させたいキーワードを決めて、ニーズがありそうな関連要素を盛り込んでいく、最もシンプルな下書きの方法ですね。
見出しを作るときは、「関連キーワード取得ツール」を使っています。
データとにらめっこしながら、「読者が欲しそうな情報」と「自分が推したいポイント」のバランス取りながら要素を盛り込んでいきます。
参考 関連キーワード取得ツール(仮名・β版)デンジ
デメリットは、検索キーワードを第一に考えるので、自分が本当に書きたい内容とズレが生じてしまう場合があること。100%自己満足の記事を書きたいときには向かない方法です。
書きたいことから書いていくパターン
最初に構成を作らずに、書きたいことを殴り書きしていくパターン。
頭の中のモヤモヤを手あたり次第に書いていき、情報整理はあとからじっくりやっていきます。
「明確な構成はイメージできないけど、記事全体を通して言いたいことはなんとなく決まっている」
という状況でよく使います。
情報整理はたいへんだけど、書きたいことを書きまくれるのでとても楽。疲れているときでも気軽にできるのが最大メリットです。書く・書かないの判断も、書きたいことをすべて出し尽くしたあとなら選択しやすくなります。
デンジ
「自分が書きたい内容」と「ユーザーが求めている情報」が必ずしも合致するとは限りません。書く内容をまとめていった結果…ニーズの薄い趣味寄りの記事になってしまう可能性もあります。狙うキーワードが明確に決まっていて、かつユーザーが求める情報をきっちり入れていきたい場合は、構成から最初に作ったほうがズレが少なくなります。
一点主張に肉付けしていくパターン
最後は「一番言いたいこと」から話を広げていくパターンです。
最初に強く主張したいことや、「これだけは伝えたい!」って情報が一つあることが大前提。そこに補足・追加説明で記事として必要な要素を肉付けしていくイメージです。
「結論これが言いたいです」という強い気持ち・主張を肉付けをしていって、一つの大きな幹に育てていく。「書きたいことから書いていくパターン」と比べると、情報はさらに揃っていないが、言いたいことは明確になっている感じです。
最初の時点では言いたいことは一つしかないけど「これ膨らませれば記事になるかも?」と思ったときによく使います。
デンジ
強い気持ちや主張を発散するのに向いていて、どのパターンよりも自由に好きなことを書けるのが魅力。よくあるテンプレ構成から外れたオリジナリティー溢れる記事を書きたいときにはおすすめです。
下書きを練習すれば文章力はメキメキ向上する
今回は文章における下書きの重要性やメリット、書き方について詳しく解説しました。
下書きをうまく習慣化できれば、文章力はメキメキと向上していくはず。
情報を整理整頓して分かりやすい文章を書くために、ぜひ下書きの技術を磨いていきましょう。